2012年2月10日金曜日

KOBE-Asia Contemporary Dance Festival #2 のプログラムのこと


KOBE-Asia Contemporary Dance Festival #2 開催まで、1週間きりました。
改めてではありますが、ここで各プログラムについてご紹介させて頂きます。
Aプログラムは、フェスティバル前夜祭として、参加者が1曲ずつラブソングを持ち寄って踊るという、いたってシンプルなコンセプトです。全体ディレクションの◆南弓子が震災後に「素直な身体を求めて」立ち上げた企画で、すでに東京と京都で行われています。 今回は、アジコン参加者と、関西のダンサー、そして地元・新長田で踊る人々が一同に会し、ラブ・ソングで踊ります。このプログラムのみ劇場内に飲食持込OKです!新長田の名物B級グルメ!?を取り揃えて、お待ちしております。



写真:三村博史

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Bプログラムは、2009年より始動した新長田で踊る人に会いにいく「新長田のダンス事情(仮称)」のトーク&デモストレーションです。
このプログラムは、協働パートナーに◆宮本博史をむかえ、新長田で踊る人々の背景や事情、歴史を通してみることで、新長田のまちについての新たな地図を描きます。
今回ご登場いただくのは、★18日は、奄美民謡と新舞踊に取り組む【神戸奄美会館 藤田幸子舞踊教室】と、創作エイサーに取り組む【琉球ワールドの神子】。
★19日は、ヨサコイに取り組む【神戸ハッピー会】と、韓国舞踊に取り組む【金良恵】。実際に踊りを見せていただきながら、昔の映像や貴重な資料をお披露目いたします。
Hプログラムの展示では、Bプログラムでの模様や、これまで撮影してきたリハーサル風景等の映像を展示します。
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Cプログラムは、「出会い、出会うこと」に着眼している二人の作家を招聘しました。
◆山賀ざくろは、地元・前橋で踊る場をもとめて、地元の音楽サークルや合唱団の方々の稽古場におじゃまし、ダンスと音楽のセッションを行っています。
今回は、新長田の強烈な個性が集る二つの地元合唱団とのセッションです。★18日は、真陽地区と丸山地区の連合婦人会のコーラス部、平均年齢70代の約25名の奥さま方。★19日は、真陽地区のビッグなお腹のおじ様方に挑みます。なにが起こるか分からない、予測不可能なところへ飛び込む!セッションにご期待ください。

◆ディック・ウォン(香港在住)は、身一つで世界各地に赴き、現地のアーティストと協働することで作品を完成させるスタイルで、縦横無尽に各地を渡り歩いているアーティストです。
ディック・ウォンともう一人のパートナー(今回は、ヤザキタケシ)が、出会い、そして二人で一つのダンスのフレーズを作るという一連のプロセスを作品化するダンス・ドキュメンタリー。
初演は2007年バンコク、香港、東京、パリを経て、待望の神戸での上演です。東京公演では、捩子ぴじんさんがお相手でした。

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Dプログラムは、新長田に滞在しながら制作するシリーズです。
◆川崎歩は、映像作家として彼のキャリアを始め、2001年より身体表現に携わりはじめました。これまで、味覚や南河内の風景などを振付ける等、独特の方法論を試行する作家です。2011年度のDANCE BOXレジデント・アーティストして、2011年4月~7月にかけて、ほぼ毎週のように新長田に通いました。新長田を歩き回りながら撮影し、そして劇場にこもる中で、新長田というまちを一つの人格として立ち上げた「ぶらウン之助」を制作しました。見る・聞く・嗅ぐ・味覚を想像するといった五感に訴えかけ、一つの街の姿に新たな像を与えます。




◆アジェン・ファティマ・スラエマンは、ジャカルタ在住の振付家、ダンサーです。2012年1月25日によりDANCE BOXに滞在しています。
ジャカルタで昨年初演を行った、都会に生きるあるひとりの女子のリアリティを鮮やかに描き出した「Baju Kini(イマドキの服)」の神戸版を、関西在住のストリートダンス出身の★Cana(Pumpuking/Soup)と、マイム役者である★岡村渉(いいむろなおきマイムカンパニー)とリメイクいたします。




写真: law kin yen

◆チョイ・カファイは、シンガポール出身、現在はロンドン在住の演出家、メディア・アーティストとして、舞台作品制作にとらわれない活動を展開しています。2012年1月22日よりDANCE BOXに滞在しています。
チョイ・カファイのこれまでの作品の特徴として、身体とメディアをつなげる仕組みを開発し、身体に対する新たな視点を開拓しています。 近年では、筋肉のもつ記憶をデジタル化し、他者に受け渡すことを可能とさせる「筋力センサー」の開発を進め、昨年のF/T では「ノーション:ダンス・フィクション」を上演。「筋肉の記憶からのみの情報で、果たして“ダンス”を生み出すことが可能なのか」と、問いかけを発しました。
神戸でのプロジェクトは、この思考の延長線上にあります。関西を拠点とする約20名のコンテンポラリーダンスやパフォーミングアーツの演出家にインタビューし、作り手の思考、身体がもつ記憶について迫ります。パフォーマンスでは、★文、田中幸恵が出演します。
Jプログラム(展示)では、関西の振付家にインタビューしたことを、一つのダンス・ドキュメンタリー・フィルムとして作成し、上映いたします。 
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Eプログラムは、日本、マレーシアにおけるゴッドマザーによる饗宴です。
wave_1985@草月ホール 写真:スタッフ・テス

◆黒沢美香は、自らを「ミニマムダンス信者」と称し、26年にわたって「ダンスとは?」という問いかけに、様々な試行や実践で応答し、果敢に更新し続けてきました。今回上演する「Wave」は、1985年、NY滞在からの帰国後直後に制作された作品の再演です。初演当時は「あなたの隣にダンスが溢れている」という思いで上演してきたことが、現在は「ダンスは特別なものである」という思いへ変遷した黒沢美香の、2012年2月24日・25日のダンスを目撃してください。


写真: Philip Craig

◆マリオン・ドゥ・クルーズは、マレーシアやインドネシアにおける古典舞踊を学びながら、コンテンポラリーな手法を獲得していった作家です。マレーシアのダンス・シーンを開拓してきたパイオニアであり、黒沢と同じく、「ダンスとは?」の問いかけに対する応答を更新し続けています。
今回上演する「Gostan Forward」は、歴史家としての顔を併せもつ新進気鋭の演出家マーク・テによる演出で、彼女の約35年にわたるダンスキャリアを回顧したレクチャー・パフォーマンスです。
Gプログラム(マーク・テさんのお話を聴く会)では、樋口貞幸さんが聞き手となり、「Gostan Forward」の演出を務めたマーク・テに、彼が歴史家と名乗りながら活動していることを始め、歴史という観点から、彼のこれまでの活動や思考に迫ります。

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FプログラムおよびIプログラムでは、手塚夏子が主宰する「アジア・インタラクティブ・リサーチ」を、トーク形式のもの(Fプログラム)と展示形式のもの(Iプログラム)で公開いたします。
「私たちにとって近代化とは何だったのだろうか?それを否定も肯定もできないけれど、その変化は、人が人と関わる、また自然や世界や神様と関わる、その関わり方を変えてしまう力を持っていたのではないだろうか?」という手塚の問いかけより始まった「アジア・インタラクティブ・リサーチ」。先ずは、この問いかけに迫る彼女の道筋を、アジコンに関わるアーティストや地元の方々が体験しました。その模様を映像で展示します。トークでは、彼女がアジア・インタラクティブ・リサーチを始めるにいたった経緯を、これまでの彼女の活動を踏まえながら、お話します。

ぜひ、皆様のご来場を心よりお待ちしております。

横堀ふみ


写真:小熊栄

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